ミニマリズム4

ミニマリズム4

久石 譲といえば宮崎駿や北野武をはじめとする名監督たちの映画に欠かせない作曲家として広く知られているが、一方では、ミニマルミュージックを中心とする現代音楽の作曲家として交響曲、管弦楽曲、室内楽などを多く世に送り出してきた。そんな巨匠が、輝かしいキャリアにあぐらをかくことなく新たな分野に挑戦したのが、本アルバム『ミニマリズム4』に収録された2つの協奏曲だ。コントラバスを独奏楽器とするコンチェルトの前例は非常に少ない。クラシック音楽においてのコントラバスの主な役割は、長い音符で和音のベースラインを奏でることであり、メロディ楽器として使われること自体、ほとんどないからだ。しかし久石は自らコントラバスを入手し、日々奏でることで楽器の響きを体に染み込ませた。この『Contrabass Concerto』では、コントラバスが持つ本来の特性、魅力を存分に生かしたダイナミックでユニークな演奏を生み出すことに成功している。またホルンも短い音符の速いパッセージを奏でることを得意とする楽器ではないが、『The Border Concerto for 3 Horns and Orchestra』では、独奏者を3人立てることでミニマルなフレーズの演奏を可能にすると同時に、ホルンならではの温かい音色をフィーチャーした。日本音楽界の重鎮、久石 譲の飽くなき創作意欲があふれ出したこのアルバムは、リスナーに感動と勇気を届けてくれる。

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