1995年にデビューした女性シンガー・ソングライター、 BONNIE PINK がその豊かな才能を開花させた1997年リリースのセカンド・アルバム。ザ・カーディガンズやクラウドベリー・ジャムなどを世に送り出し、スウェディッシュ・ポップの立役者として大きな注目を集めたプロデューサー、トーレ・ヨハンソンとのコラボレーションで制作された。スウェーデンのタンバリン・スタジオでレコーディングされた先行シングル “Do You Crash?” やタイトル・トラックの “Heaven's Kitchen” など、ビンテージのアナログ機材を多用したロー・ファイでザラついた感触、それでいてエッジが効いたサウンド・プロダクションは、彼女の持つ独特なメロディ・センスや歌声、節回しの魅力をこれまで以上に大きく引き出している。どちらかというとポップで小洒落た可愛らしい音作りのイメージが強かったトーレが懐の深さを見せた作品であるとも言える。繊細でありながら力強く、ちょっとクセがあるのに心地いい。そんな彼女のソングライティングとボーカルの魅力が、開放的でラフなサウンドの中で伸び伸びと発揮されてる。