2018年に大ヒットを記録した「Sweet but Psycho」で知られるポップシンガー、Ava Maxのデビューアルバム。レディー・ガガとも比較されるパワフルなシンセポップサウンドは本作でも健在だ。1970年代ディスコ調の「Kings & Queens」や、レゲエビートを取り入れた「Who's Laughing Now」など、サウンドもバラエティに富んでいる。アルバムのタイトルにも象徴されるように、本作はアッパーなダンスチューンを中心とする“Heaven”サイドと、よりダークな音響がフィーチャーされた“Hell”サイドの2つの顔を持つ作品でもある。そしてそのせめぎ合いの中でも揺るぎないのは、自分らしくあるために格闘するAva自身の姿であり、彼女のハスキーでソウルフルな歌声は現代に生きる女性たちを鼓舞し、柔らかな高音を生かしたコーラスは彼女たちの心に寄り添ってくれる。そのエンパワーメントが説得力を持つのは、Avaが長い下積みを経て花開いたアーティストでもあるからだ。Dua Lipaの『Future Nostalgia』やガガの『Chromatica』と共に、2020年のダンスポップを代表する一作といえるだろう。
その他のバージョン
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ビデオエクストラ
- Ava Max
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