「自分たちが今できる表現をすべて詰め込んだアルバムになっています」。Hey! Say! JUMPの11作目のオリジナルアルバム『H⁺』について、髙木雄也はApple Musicに語る。前作『PULL UP!』から約1年ぶりとなる本作は、日常に潜む違和感をダーク&ポップに表現した12曲を収録。有岡大貴は「タイトルの“H”は僕たちそのものを表し、プラス記号には二つの意味を込めました」と説明する。「まず、僕たちにプラスして生まれる唯一無二のエンターテインメントをお届けしたいという思い。さらにH⁺は水素イオンを表すということもあり、JUMPにとって、ファンや聴いてくれる方は必要不可欠な存在であるということを暗に示しています」 Hey! Say! JUMPにさらなる魅力をプラスする上で軸となったのが、新たな代表曲を目指して制作した先行シングル「UMP」だったと髙木は言う。「sumikaの片岡健太さんに歌詞を書いていただいたのですが、片岡さんはJUMPのメンバーかと思うくらい僕たちの思いをくんでくださりました。それぞれに歌を入れ、メンバーの声が全部入った音源を聴いた時の気持ちをなんて言ったらいいのか…。全員の声から力強さを感じ、自分はJUMPの一員であり、『これからもこの人たちと突き進んでいこう』という方向性が完全に見えました」。その言葉を継いで、有岡も「きっとこれからHey! Say! JUMPの新たなランドマークになってくれるはず」とうなずく。「UMP」を目印に広がっていく8人の輝きを凝縮した本作について、ここからは2人にいくつかの楽曲を解説してもらおう。 She's Amazing 髙木雄也:最初に聴いた瞬間からずっと頭から離れない曲です。どれだけ「She's Amazing」と言うんだと思うくらい歌っているので(笑)、ライブのリハーサル中とかに気付いたら口ずさんでる。メンバーたちもふとした時に「She's Amazing」とボソッと呟(つぶや)いています。 Donkey Gongs 有岡大貴:ダーク&ポップをテーマにしたこのアルバムの中で、ダークの部分をすごく担ってくれている楽曲です。重低音も素晴らしく、思わず踊りたくなります。ダンスの振り付けは、リズムの取り方や緩急の付け方に表現力が必要だったので、みんなで苦戦しながら楽しんで作り上げたことも印象に残っています。 シアティカ 髙木:新しい自分の歌い方を見つけたいと思って、相当苦戦しました。今までやったことがないような、ちょっと力強さのある歌い方を試したり、そこに少しセクシーさを入れたり。言葉をあまり発しないように呼吸しながら歌うとか、とにかくいろんな歌い方を試しました。 有岡:僕が担当した「はあ…」という歌詞の部分は、自分でもお気に入りのパート。ため息とも受け取れるし、思わず漏れちゃった声のようでもあり、おいしいところをいただけたなと思います(笑)。聴いた方がさまざまに感じ取れるように、少し声を残し気味にしたり、完全に息だけにしたり、本当にいろんなパターンを模索しました。 Never end… 有岡:Hey! Say! JUMPはこれまで歌謡曲寄りの楽曲も多かったんですけど、その最新版がこの曲だと感じています。ラテンっぽさもある好みの曲調なので、早くパフォーマンスをみんなに観てほしいな。 eek!! 髙木:アイドルど真ん中の楽曲。すごく安心感があり、素のままで歌えている感じがします。 有岡:Hey! Say! JUMPは「振り幅が広い」と言っていただけることが多いんですけど、この曲は本当に“かわいい”に全振りしています。レコーディングではにこやかに、口角を上げながら歌いました。 最後の涙 有岡:僕たち8人のメンバーのハーモニーを楽しんでいただける楽曲だと思います。 髙木:キーが結構高くて、その高さに喉が慣れるまでかなり歌いこんでレコーディングに臨みました。僕はサビ担当だったので、メンバーたちがきれいにつないできたものをまとめ上げないと、と考えたらなかなか自分にオッケーが出せなくて。楽曲を手掛けてくださったUruさんの世界観を感じながら、自分のパートをエンドレスで流して歌い続けたり、椅子に座って歌ってみたり、かなり苦戦しつつ2日間かけてなんとか録れました。 UMP 髙木:ファンの方に歌った曲であり、自分が道に迷ったときに指針にしたい曲でもあります。 有岡:この一曲にHey! Say! JUMPの今までの歴史が詰まっていると感じ、大事に噛みしめながら歌いました。思い出のアルバムを開きながら歌っているような感覚もあります。
- 2015年
- CUTIE STREET