コンシャスな社会派ラッパーとして、その発言が影響力を持つカリスマ、ケンドリック·ラマー。そのメッセージ性やストーリーテラーとしての力量、リリシズムに関してはぜひ歌詞を参照しつつその世界観、深みを堪能していただきたい。本作はコンプトンを舞台にした1人の少年を主人公にしたコンセプトアルバムであり、ラマー自身の自叙伝的な色合いの濃い作品。ギャングが割拠するハードな環境の中、ひたすら音楽に打ち込んでいたラマーが語るストリートの過酷な現実が切実に響く。Pharrell Williamsや Scoop DeVilleら多彩なトラックメイカーが参加したダークで硬質なサウンドも、まるでサウンドトラックのようにメッセージ性を際立たせる。ハイプとは無縁の硬派な内容ながら、チャートアクションも好調。批評家からもクラシック級の名盤扱いをされた傑作。
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