THIS WORLD

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山中さわお(the pillows)、JIRO(GLAY)、そして今作からはドラムスに高橋宏貴(ScarsBorough、ELLEGARDEN)を迎えた、あくまでサイドプロジェクトとしてのバンドの通算3作目。アルバムといっても今まで同様7曲入りの小ぶりな作品で、そこも楽曲の細部を詰めすぎぬまま、録れる時に録ってサッと出すという彼らのスタンスをよく表している。元はニルヴァーナのポップ・サイドをやるという軽いテーマの元に始まったバンドだが、当初その側面を強く担っていた山中の楽曲は、“GOOD BYE GOBLIN” をのぞき、シンプルなロック・ナンバーが主流になりつつある。むしろポップネスが光る “THIS WORLD”、ダークな質感の “THE REQUIEM(without the titles)”、“Desperate Donor” と、いかにもニルヴァーナ的な曲調に寄ってきたのはJIROが作曲した歌のほうだ。こうした内部バランスの変容が楽曲のバリエーションをゆるやかに押し広げてはいるが、それが半ば遊び感覚のようなこのバンドらしさを損ねることもなく機能している。タイトにしてエイトビートの気持ち良さを装備した高橋のドラミングもそうした雰囲気によくハマっている。“Tyrant” にあるようなロック感は、この布陣だからこそ実現できたものだろう。

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