一曲一曲から濃密な物語が広がる、6作目のアルバム。前作『angels』より約2年ぶりとなる本作には、椎木知仁(Vo/G)のソングライティング力が飛躍的に向上したことを示す13曲がそろっている。多くの楽曲で“僕”と“君”の生活が息づく物語が描かれ、2人の不器用な生き方がリアルに感じられる。恋愛がある程度進展するにつれて、すれ違いやほころびが生じたり、後悔してもがいたり、ひそかな決断をしたりしながら、2人の関係は少しずつ変わっていく。変化の中にいる時は苦しさや痛みを覚えるかもしれないけれど、その移り変わりには人生における大きな意味があると教えてくれる。バンドメンバーはそうした機微を敏感に感じ取って、温もりのあるギターサウンドを奏でた。「思い出をかけぬけて」はメンバーが子どもの頃から影響を受けているアニメの劇場版主題歌として書き下ろした楽曲で、友情や親子愛も含む趣深いラブソングだ。なおかつアルバム全体で描くラブストーリーの希望ある未来を想起させる歌として、本作の締めくくりを彩っている。
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