異次元を旅するかのようなサイケデリック作品となった『You’re Dead!』から5年後、2019年にリリースされた通算6作目のフルアルバム。前作のグラミー賞ノミネートや、ケンドリック・ラマー『To Pimp a Butterfly』、カマシ・ワシントン『The Epic』といった2010年代を代表する作品への参加を経て、その評価と期待値を最大限に高めたフライング・ロータス。その次の一手は、スピリチュアリティを軸に自らをブラックミュージックの歴史に定義づけるかのような作品となった。大先輩であるジョージ・クリントン、インディーR＆Bの頂点の一人ソランジュ、ラッパーからはアンダーソン・パークにデンゼル カリーなど世代やジャンルを超えた豪華ゲストを集め、これまでにないほどオーセンティックなソングライティングを披露。もちろん一筋縄ではいかぬフライング・ロータスらしい毒々しさは健在ながらも、非常に聴きやすい作品に仕上がっている。