find fuse in youth

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感情を鋭くえぐり出すようなギターの響きと、体の底から絞り出すような声の揺らめき。18歳のシンガーソングライターが放つ通算3作目にしてメジャー初アルバムは、自身の心理をより深く探り、楽曲に焼き付けているかのようだ。アルバムの冒頭を飾る、バンド編成で収録された「Undulation」では、衝動の行き先に翻弄(ほんろう)される彼の心の内を垣間見ることができる。中学2年の頃に書いた「Heaven」は当時の葛藤を表現した、緊張感あふれる歌。「回転」ではコロナ禍における心境を歌っていて、複雑な思いをつづりながらも、そこにかすかな希望を込めている。間には打ち込みを駆使した曲が挟まれるなど、多彩なサウンドでアルバムが構成されており、最後の表題曲に至るまで、まるで純文学と向き合うような感覚を覚えさせる、聞き応え満点の全13曲だ。気楽に聴き流せるような音楽ではないかもしれないが、若者が生きる中で覚えるシリアスな痛みや切なさを誠実に描いたこの世界は、多くのリスナーの心の支えになるだろう。

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