スタッフメモ 前作『Lover』の発表から本作『folklore』がサプライズリリースされるまでの11か月は、短いながらまるで一生涯のように感じられる。世界的なパンデミックの最初の数か月間に、曲作りからレコーディングまでリモートで行われたこのアルバムは、シンガーソングライター、テイラー・スウィフトが、The Nationalのアーロン・デスナーと長年のコラボレーターであるジャック・アントノフと共に制作したものだ。そこには前作からはかけ離れた黙想的で、比較的ローファイなベッドルームポップが並んでいる。幕を開けを告げる「the 1」は、哀調を帯びたピアノと彼女らしい軽快さを茶目っ気いっぱいに掛け合わせ、"I’m doing good, I’m on some new shit(私は元気にやってるよ、新しいことにも挑んでる)"と歌う。これを聴いたリスナーが、よくある自粛生活中の近況報告とか、彼女の広がる感性についての注釈と受け取っても仕方ないだろう。だが、彼女は自身のあふれるエネルギーを曲作りに注ぎ、小説家マルセル・プルースト風のフラッシュバック(ラナ・デル・レイを想起させる「cardigan」)や、社会から見放された未亡人(「the last american dynasty」)、そして、絶望的な恋愛関係(ボン・イヴェールのジャスティン・ヴァーノンとの悲しみに満ちたデュエット「exile」)まで、短編小説と登場人物の観察を兼ねた一連の楽曲を生み出した。そして、逃避を図る2人の友についての物語をつづった「seven」では、"Your braids like a pattern/Love you to the moon and to Saturn. Passed down like folk songs, the love lasts so long(模様のようなあなたの三つ編み/あなたをどこまでも愛してる。フォークソングのように語り継がれて、この愛はとても長く続く)"と歌い上げる。こうしてアルバムは素晴らしい質感と想像力を兼ね備えた作品に仕上がった。これまで世間の衆目を集めてきた人生で、あれほど細部に渡り豊かな表現をしてきたソングライターが、結果として隔離された状況でインスピレーションを見出したのは、逆に理にかなっているのかもしれない。

ソング
the 1
1
3:30
 
cardigan
2
3:59
 
the last great american dynasty
3
3:50
 
exile (feat. Bon Iver)
4
4:45
 
my tears ricochet
5
4:15
 
mirrorball
6
3:28
 
seven
7
3:28
 
august
8
4:21
 
this is me trying
9
3:15
 
illicit affairs
10
3:10
 
invisible string
11
4:12
 
mad woman
12
3:57
 
epiphany
13
4:49
 
betty
14
4:54
 
peace
15
3:54
 
hoax
16
3:40
 

その他のバージョン

  • folklore
  • folklore
  • folklore

ミュージックビデオ

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