『Echoes of Life』は、ドイツ/日本のピアニスト、アリス=紗良・オットならではの思慮深い側面が大きく投影されているアルバムだ。オットは、これまでの人生で影響を受けた瞬間を振り返り、自身にとって意味のある音楽を選択し、演奏する。本作に収録される作品の演奏を通じて、それぞれの楽譜を丹念に読み解き、さらにその解釈を深め、音楽家としての自身を見つめ直すような気概さえ感じさせる。冒頭の「In the Beginning Was」は、バッハとショパンを引用したフランチェスコ・トリスターノの作品で、このアルバムのプログラムには境界線がないことを示唆し、幕を開ける。ショパンの『24の前奏曲』の合間には、ゴンザレス、武満徹、アルヴォ・ペルト、ジョルジ・リゲティらの作品が演奏され、その深くパーソナルな感性に感銘を受ける。
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