dimen

dimen

さらなる進化を遂げたバンドの姿を見せる、1年半ぶりの通算4作目のアルバム。ジャズやソウルに接近した前作から、その音の裾野はオールディーズポップスからテクノまで広がり、よりミクスチャー感あふれる作品となった。背景には2020年のコロナ禍によってライブ活動が休止に追い込まれた状況があり、そんな中で本作の制作に入った3人は、ライブで獲得した肉体性や躍動感を次の表現に取り込むという、過去のスタイルとは異なる方法を選択した。閉塞感に覆われた不安な日常の中にある、混沌とした感情を叫ぶ「slow burning」や、ムーディなバラードの「shell」、ドラムンベースのビートを導入した「200530」などといった新機軸の楽曲、さらにスローな展開からエモーショナルな熱を帯びていく「your name」に象徴されるように、野心的な楽曲がそろう。柏井日向とlllicit Tsuboiによるエンジニアリングも、新しいバンドのアプローチをくみ取り、サウンドに奥行きを与えている。苦境を自分たちの糧に昇華させたバンドの胆力を感じる作品だ。

国または地域を選択

アフリカ、中東、インド

アジア太平洋

ヨーロッパ

ラテンアメリカ、カリブ海地域

米国およびカナダ