西海岸のシーンの最重要人物として君臨してきたドクター・ドレーの2015年リリースのアルバムで、ソロ名義では約16年ぶり3作目。彼が在籍した N.W.A.の伝記映画『ストレイト・アウタ・コンプトン』にインスパイアされたサウンドトラック的な位置付けの作品であり、またBeats 1の番組で長らくリリースが噂されていたアルバム 「Detox」のお蔵入りと併せて突然アナウンスされた。アイス・キューブ、スヌープ・ドッグ、エミネム、ケンドリック・ラマーといったゆかりが深い新旧スターの揃い踏みという点だけでも十分豪華だが、さらにアンダーソン・パークや BJ・ザ・シカゴ・キッドらの新しい才能もフックアップ。サウンド面で多くのアーティストを起用しながら、自身は一歩引いた位置で指揮を執り全体をパワフルなサウンドに仕上げている。ドレー自身のパワフルなラップが随所に楽しめる点も含めて聴きどころが数多く詰まった大作だ。