

映画のために書かれた音楽には、決して忘れることができない素晴らしいメロディが多い。このアルバムは、それらの楽曲をそれぞれの美質にふさわしい丁寧さと敬意をもって新たに編曲し、演奏したものだ。上質で豪華なアレンジによるオーケストラとともに歌うキャサリン・ジェンキンスは、水を得た魚のようなパフォーマンスを見せる。「West Side Story (Somewhere/Tonight)」や「Danny Boy」(『メンフィス・ベル』)といった時代を超えた名曲や、王道のサントラを再編集した美しい楽曲を、彼女は高らかに歌いあげていく。ジョン・ウィリアムズの手による『シンドラーのリスト』のテーマは元々インストゥルメンタルだが、ここではうっとりするようなヴォカリーズがフィーチャーされており、またジョン・バリーが書いたスケール感あふれる『ダンス・ウィズ・ウルブズ』のメインテーマに心を打つ歌詞が付けられた「Here’s To The Heroes」も出色の仕上がりだ。慣れ親しんだ曲を新鮮に楽しく味わうことができるこのアルバムの中でも、琴線に触れるデュエットソングの一つであるタイトルチューン「Cinema Paradiso」は、胸が張り裂けそうな切なさを帯びている。