CHRONICLE

CHRONICLE

新境地を切り開こうという気概にあふれた意欲作である。通算4作目は、バンドにとって初の海外レコーディング作。2009年初頭、スウェーデンのストックホルムにおいて、かの地のポップ職人であるザ・メリーメイカーズをプロデューサーに迎え、25日間にわたって録音されている。その前にシングルとして制作された “Sugar!!” は亀田誠治にプロデュースを委ねており、この時期の彼らが新たなうねりを求めていたことがわかる。全15曲の作詞作曲は、すべてヴォーカルの志村正彦が担当。そのデモテープから発展させていったサウンドの傾向は “パワー・ポップ” をキーワードにしたもので、シンセを駆使したスピーディーなポップ・ロックやハードなナンバーが主体になっている。そして楽曲自体はこのバンドの特色とされてきた文学性や叙情性が減退し、志村個人が抱える自信のなさや気弱さなど、主に恋愛においてのネガティヴな部分を吐き出すような歌が目立つ。「年代史」「歴史」等を意味するアルバム・タイトルは、制作期間中の志村がこうしたローな精神状況にあった自分を正直に投影しようしていたことがあるようだ。妄想や想像の描写ではなく、あえて現実の自身を描こうとしたその姿勢は、ここでバンドに新生面を呼び込もうとしている。

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