

1970年代のロックシーンに喝を入れたパンクが、プリミティブなロックンロールへ肉薄することでロックの持つ原始の衝動を獲得し得たように、コールマンのフリージャズはモダンジャズの約束事から離れることで、結果としてニューオリンズジャズやブルース/R&B臭を強く感じさせるサウンドを生み出した。先祖返りすることでカウンターとしても機能したという意味ではパンクと同じく革新的だが、それが楽曲の難解さに直結するかといえばさにあらず。本作は歴史的名盤「The Shape of Jazz to Come」に続くAtlantic Recordsの第2弾アルバム。軽快にスウィングし、時にソウルやジャズにも通じるリラックスした親しみやすさを感じさせる、いわば彼の普段着姿のサウンドといったところか。