輝かしい歴史に彩られた、世界で最も有名な合唱団の新たな時代が幕を開けた。英国の指揮者でオルガニストのDaniel Hydeは、2019年に前任のスティーヴン・クレオバリーからケンブリッジ・キングス・カレッジ聖歌隊の音楽監督の座を引き継いだ。この魅力的なアルバムに収録された、2019年のクリスマスイブに行われたコンサートは、Hydeにとってこの名門聖歌隊を率いた初めてのクリスマスパフォーマンスとなったものだ。このコンサートで世界初演されたPhilip Moore作曲の「The Angel Gabriel」はクレオバリーを追悼する感動的なキャロル。また、Hydeの先輩である過去の多くの音楽監督が編曲し、対旋律を書き加えた伝統のキャロルも美しく、人気作曲家ジョン・ルッターの「Candlelight Carol」やアンドリュー・カーターの「A Maiden Most Gentle」も聴きどころだ。誉れ高いケンブリッジ・キングス・カレッジ聖歌隊が生み出す響きは、彼らにしかできない音の魔法を全ての楽曲にかけているかのようだ。