C.P.E. Bach: Symphonies - From Berlin to Hamburg

C.P.E. Bach: Symphonies - From Berlin to Hamburg

1750年にヨハン・セバスティアン・バッハが亡くなったすぐ後、トッカータ、前奏曲とフーガ、合奏協奏曲(コンチェルト・グロッソ)といったバロック時代の形式は、より自由で、より豊かな表現を可能にする交響曲やソナタに取って代わられた。そんな頃、古典派の時代へと向かう潮流の最前線にいたのが、ヨハン・セバスティアンの息子カール・フィリップ・エマヌエル・バッハだ。彼の交響曲は、大胆なダイナミクス、一風変わったフレーズ、無限のエネルギー、生々しいエモーションといった音楽的発明にあふれており、感受性や感情表現を重んじた多感様式と呼ばれるスタイルを象徴するものだった。その熱く自由奔放なスピリットは、アルバム冒頭の一曲にもよく表れている。この曲は絶えず予想外の場所へと移り続け、ある時はスリリングであり、次の瞬間には穏やかな美しさに包まれるのだ。また収録曲が作曲年代順にプログラムされていることによって、本作ではカール・フィリップ・エマヌエル・バッハのスタイルの変遷をたどることもできる。ヘンデルからの影響を思わせる1750年代の『交響曲 ニ長調 H. 651、Wq.176』から、1773年頃に書かれ、ハイドンのいわゆるシュトゥルム・ウント・ドラングの前触れのようなすさまじさを持つ『ハンブルク交響曲第5番 ロ短調 H. 661、Wq.182/5』まで、カール・フィリップ・エマヌエルの音楽の進化は、まさにバロックから古典派に至る音楽の歴史を象徴するものでもあるのだ。

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