文学少女の歌集Ⅲ-文学少女と夜明けのバス停-

文学少女の歌集Ⅲ-文学少女と夜明けのバス停-

堀江由衣が思い描く少女像の中にある“当たり前のようだけれども、特別な日常”を切り取って描いた12作目のアルバム。10、11作目からつながる“歌集”として生み出された。本作の軸となるのは“青春感”。切なさを強く感じさせる「夏は短し、恋せよ乙女」と、爽やかな夏空を想起させる「Love me Wonder」の2曲が、そのテーマを明確に示す。“推し活”をテーマにしたダンスポップ「まじめにムリ、すきっ」は、若さゆえの高ぶりからくる言葉がキャッチーなフレーズとして繰り返され心を捉える。中盤ではバラード「Starry night」が効果的なアクセントとなり、澄んだ星空を思わせるサウンドと、堀江の涼やかな歌声が響く。そして「夜明けのバス停」が、ここまでの楽曲をすべて受け止めた上で再び青春感を色濃く感じさせ、エピローグ的な「Good morning」がアルバムを美しく締めくくる。同時に、作中楽曲の主人公たちが夜が明けた後に紡ぐ物語について解釈の余地を残しているのも、本作の“文学的”な魅力の一つといえる。

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