Born This Way

レディー・ガガ

Born This Way

現代社会へのメッセージをより鋭く、より自覚を持って発信していくきっかけとなった異形の金字塔。2008年、ポップミュージックの可能性を拡張した『The Fame』で華々しいデビューを飾ったレディー・ガガだが、その評価に頼ることなく、セクシュアリティやジェンダー、フェミニズム、人種差別、移民問題、宗教と、多方面にわたる彼女の深い関心を楽曲に重ね、彼女がシンパシーを寄せる虐げられた者たちへのアンセムへと昇華させた。 まるで鼓動のように打ち鳴らされる激しい四つ打ちのディスコビートに乗せて、格闘し、生きることを鼓舞する本作で、自身の奇矯なパブリックイメージの刷新に成功したレディー・ガガ。グラミー賞3部門にノミネートされた他、世界中のチャートアクションを巻き込んで2011年を席巻した『Born This Way』には、そこに自身の役割を見出したアクティビストとしての意識の高まりと喜びさえ感じ取れるだろう。プロデューサーにフェルナンド ガリバイ、レッド・ワンなどを迎えた本作は、ニューヨークを表敬する「Marry the Night」からはじまり、「Bad Kids」ではヘヴィメタルをダンスビートに組み合わせ、「Americano」では情熱的なマリアッチ調のギターとメロディに乗せてアリゾナ州の新移民法とカリフォルニア州の同性婚禁止への動きに異議を申し立てる。さらに、ブルース・スプリングスティーンからの影響を映し出した「Hair」と「The Edge of Glory」には、そのスプリングスティーンのバックバンドとして一世を風靡(ふうび)したジ・E・ストリート・バンドのClarence Clemonsによるサックスが、クイーンの「We Will Rock You」をサンプリングした「Yoü and I」にはクイーンのギタリスト、ブライアン・メイも登場するサプライズも。もちろん、自身も公言しているマドンナやホイットニー・ヒューストンからのインスピレーションも随所にちりばめ、ユーロディスコやハイエナジー、ハウス、テクノポップ、トランスと、きらびやかなダンスポップがアルバム全体から鳴り響く。モーターバイクと合体したアルバムイメージからも伝わるように、バッドテイストすら厭(いと)わず貪欲に取り込む強烈なフックは、「Born This Way」という強力なタイトルトラックに実を結んだ。 なお、本作はリリース10周年を記念したバージョン『BORN THIS WAY THE TENTH ANNIVERSARY』も発表され、カイリー・ミノーグらによるカバーバージョンを追加収録してLGBTQ+コミュニティをサポートしている。

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