清流の水面に揺れる光、森の中の優しい木漏れ日、空をゆっくりと流れる雲。ここにあるのはそんな自然の情景を喚起するピアノミュージックだ。ピアニスト／作曲家、七ッ谷ゆみが生み出す楽曲はガブリエル・フォーレやエリック・サティ、あるいはフェデリコ・モンポウといった作曲家たちのエッセンスを感じさせながらも、現代性とオリジナリティが輝きを放っている。心の奥底にまで染み渡る親しみやすいメロディとハーモニーはピュアでリリカルなピアニズムと相まって、リスナーの魂を浄化してくれる。本作はオリジナル曲で構成されたものとしては4作目のアルバム。全曲ソロピアノによって奏でられている。一曲一曲とじっくり向き合えば楽曲の滋味深さや演奏の機微を堪能することができるが、くつろぐのに最適なヒーリングミュージックとしても気軽に楽しめる。