Black City

Black City

Audion という名義でも活動する Matthew Dear が放った4thアルバム。前作「Asa Breed」から3年の時を経たリリースだが、そのディープな質感は健在だ。呪術のように聴く者を引き込む “Honey” に始まり、ダンサブルなタイトル・トラック “Little People (Black City)”、ニューウェーブ期の Roxy Music を彷彿させる “Soil to Seed”、エキセントリックなエレクトロ・ナンバー “You Put a Smell on Me”、壮大なピアノが耳に残る “Gem” など、振れ幅の広い世界観が展開される。そして全編を貫く苦み走ったボーカル。どの楽器音よりも印象的に響き、作品の個性を決定づけている。逆に言えば、この歌声を起点にしているからこそあらゆるリズムやメロディが Matthew Dear 印に収斂し、唯一無二の価値を生み出しているのだろう。2000年代のAORとも呼びたくなる、大人っぽくも個性的な魅力あふれるエレクトロニック・ミュージックだ。

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