Beethoven: Fidelio, Op. 72 (Visual Album) [Live]
デイヴィッド・バット・フィリップ, リーゼ・ダヴィドセン, ゲオルク・ツェッペンフェルト, Simon Neal, アマンダ・フォーサイス, Robin Tritschler, Egils Silins, The Orchestra of the Royal Opera House, Royal Opera Chorus, アントニオ・パッパーノ
コロナ禍におけるロックダウンが実施される直前に行われたロイヤル・オペラの公演を収録したこの映像は、若きソプラノ歌手Lise Davidsenの初期の名演を記録したものとして長く語り継がれていくだろう。レオノーレを演じた彼女は、そのヒューマニティ、豊かな感性、そして卓越した歌唱力を見せつけ、大喝采を浴びた。Tobias Kratzerの演出はこの作品が持つ一貫性の欠如(いわば第1幕は軽く、第2幕は深い)を受け入れた上で、現代に多くの共鳴を生むものだ。David Butt Philipのフロレスタンは非常に情熱的で、他のキャストもそれぞれに個性を発揮している(もう一組のカップルであるマルツェリーネとヤキーノの描写も見事)。アントニオ・パッパーノの確信に満ちた指揮によるオーケストラの演奏は、この素晴らしいパフォーマンスに不可欠な原動力となっている。