BACK TO THE STREET

BACK TO THE STREET

1970年代半ばから台頭したシティポップの流れと、1980年代に入ってのロックの隆盛。1980年4月にリリースされた彼のデビューアルバムは、そんな日本のポップミュージックの転換点に位置する重要作といえる。夜の街のざわめきを喚起させる前のめりな言葉とともにドライブするファーストシングルの「アンジェリーナ」や「夜のスウィンガー」は、ブルース・スプリングスティーンをはじめとするアメリカンロックの系譜を感じさせる。一方で、メロウなストリングスが鈍色の光沢を放つ名バラード「情けない週末」やシャープなロックンロール「Back to the street」では、衝動のままに何かを求める若者の心の揺らめきが鮮やかに描かれている。大村雅朗と、本作以降に重要なパートナーとなっていった伊藤銀次という先輩たちがつぼを押さえたアレンジを施している点も聴きどころだ。そしてジャケットのモノクロームなアートワークも、知的かつ文学的な彼の才能の個性を際立たせている。

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