

フランスのギタリスト、ティボー・ガルシアによる、18世紀ドイツの偉大な音楽家ヨハン・ゼバスティアン・バッハへの敬愛の念を込めたアルバム。バッハの音楽をギター用に編曲した作品と、5人の作曲家がバッハに捧げた作品を演奏しており、すべての音楽はバッハに通じることを証明するかの多彩さが魅力。アグスティン・バリオス・マンゴレのバロック的な「La catedral」で始まり、アルバムの核となるバッハの無伴奏バイオリンの傑作"Chaconne"では、確かな技術とドラマチックな表現を披露する。バッハを見事に模倣したタンスマンの「Inventions」や、20世紀におけるバッハといった趣のボグダノヴィチによる「Suite brève」など、知られざる力作が聴けるのもうれしい。グノーの"Ave Maria"とヴィラ=ロボスの「Bachianas brasileiras No.5」の"Aria"での、ソプラノのエルザ・ドライシヒによる情熱的で格調高い美声も印象的。