デトロイトの奇才、ダニー・ブラウンが2016年にリリースした4作目のアルバム。タイトルはジョイ・ディヴィジョンの曲名、さらにさかのぼれば小説家のJ・G・バラードによる同名の連作集に由来。イギリスのエレクトロニックミュージックの名門レーベル、Warp Recordsからリリースされたことでも話題となった。これまで以上に実験的なサウンドの方向性と、破天荒なだけではないリリカルな面も垣間見られるラップが生み出す圧倒的な世界観は、ジャンルの枠を超えたオルタナティブな魅力にあふれており、それでいて紛うことなきヒップホップアルバムに仕上がっている。ケンドリック・ラマー、Ab-Soul、Earl Sweatshirtとスリリングなマイクリレーを聴かせる"Really Doe"、Kelelaと共演したメロウな"From the Ground"など、聴きどころが多い。