「愛を伴わない真実は、ただの嘘」。アリシア・キーズは、彼女の7作目のアルバム『ALICIA』の冒頭でこう宣言した。その言葉はまるで、あふれ出る新たな発見と責任の両方を示しているようにも聞こえる。「Authors Of Forever」や、一緒に歌いたくなる「Underdog」といった楽曲を聴くと、アリシア・キーズが普通の女性の感覚を持ったスーパースターなのだと気づかされる。しかしその一方で、「3 Hour Drive」 （サンファをゲストに迎えた魅惑的なデュエット曲）や、ピアノの旋律が印象的な「You Save Me」、悲しみで胸が締めつけられる「Perfect Way To Die」といった楽曲からは、彼女の歌声や飾り気のないバックグラウンドに宿る魔法の力を垣間見ることができる。胸の内を告白するようなリリックや、または想像力を広げていくための努力といったものから、真実と愛の両方に通じる脆（もろ）さがにじみ出てくるのだ。このアルバムは、アリシアがこれまでのキャリアにおいて培ってきたコラボレーションや信頼関係といったものが結実した作品でもある。クレジットの有無にかかわらず、ザ・ドリームにスウィズ・ビーツ、エド・シーラン（「Underdog」）といったミュージシャンから、Tierra Whack（「Me x 7」）に至るまで、音楽シーンのスターたちが名を連ねている。そうしたアーティストらとの共演は、パーソナルでオープンな心地よい雰囲気を作り出している。「私のアイデアとコラボレーション相手のアイデアを持ち寄ると、とてもクレイジーなことが起こるの」と、アリシアはApple Musicに語る。「全く異なる楽曲が生まれるし、とてもワクワクするパワーが溶け合っていくような感じ。自分自身がオープンになって、それぞれのクリエイティブなパワーを受け取りながら、何もないところから何かを生み出していくプロセスが大好き。まるで、あるものを他のものに変える魔法のよう」。その音の魔法が見事にかかり、『ALICIA』は彼女のアルバムの中でも、最も自由な内容に仕上がった。シンガーソングライター然とした生々しいバラードや、アンセムにふさわしいポップ、それにアリシアのしっかりとした美声を堪能できるR&Bソング。ジャンルを横断する開放的な楽曲を携えて、アリシアは最も真実に近い姿を我々に見せてくれた。彼女は言う。「まるで初めて、完全な自分自身の姿になったみたい」 このアルバムはApple Digital Masterに対応しています。アーティストやレコーディングエンジニアの思いを忠実に再現した、臨場感あふれる繊細なサウンドをお楽しみください。