Alex Cuba はカナダ在住の Alexis Puentes が Alex Cuba Band を率いて名を馳せたソロ・プロジェクトだ。出身地キューバの伝統的なダンス・ミュージックであるソン、フォーキーな音と詞が特徴のトローバといったスタイルを下敷きにしながら、ロックやジャズなどの要素も盛り込んだ新感覚のラテン・ミュージックを展開している。 AOR のような雰囲気を漂わせる “Si Pero No” 、ファンキーなダンス・チューン “Penita en la Cara” 、ジャジーなギターが響き渡る “Fiesta Religion” など、彼のオリジナリティが存分に生かされたトラックが並び、ラテン・ミュージック・ファンとビギナーの双方に新鮮な刺激を与えてくれる。何よりもその歌声がいい。70年代のソウル・ミュージックにも通じる、優しく、それでいて苦みのある芳醇なテイスト。スペイン語の響きも相まって、異国情緒あふれる深遠な世界観を構築している。Alex Cuba Band の送り出した名作「Humo de Tabaco」に耳を奪われたリスナーならば、間違いなくお気に入りの1枚になるだろう。まずは1曲目の "Amor Infinito" でキューバの風に触れてみよう。