40曲、2時間13分

スタッフメモ

「Abbey Road」はアルバムとして、ビートルズという宇宙への格好の入り口なんだ」プロデューサーのジャイルズ・マーティンは語る。「一番コンテンポラリーな音がするアルバムだからね。1960年代にレコーディングされた音には聞こえないんだ」。この作品が実際どんな音なのか、そしてどうやってその音になったかは、オリジナル「Abbey Road」のプロデューサーを務めた今は亡きジョージ・マーティンを父に持つ彼にとって特に興味深いところだった。そして2017年に「Sgt.Pepper’s Lonely Hearts Club Band」、2018年には「The Beatles(通称ホワイトアルバム)」の50周年記念リイシューを手掛けたときと同様、ジャイルズ・マーティンはビートルズの11作目にして最後から2作目のアルバムを一曲一曲丹念に積み上げるとともに、デモ音源や別音源の宝の山を掘り当てた。(後者の目玉には、"I Want You (She's So Heavy)"のレコーディング中にアビイ・ロード・スタジオ近隣の住人たちから音がうるさいと苦情を受けたことについて、メンバーが雑談している音源などがある。

このプロジェクトの目標はビートルズの熱心なファンにアピールするだけでなく、このアルバムの意味を現代のオーディエンスに向けて再解釈し、音質を彼らの耳に馴染んだ形にアップデートすることでもあった。「ミックスを手掛けるときに追求していたことの一つが、例えばApple Musicのプレイリストやラジオステーションで、ビートルズがエド・シーランの横に並ぶことだったんだ。ただ聴くだけでなくじっくり聴くことにリスナーをシフトさせることができるかどうかに興味がある。若い世代や新しいリスナー、または存在を知らなかった人たちに、ぜひさかのぼってビートルズを聴いてほしい。彼らは本当にたくさんの人々にとってのポピュラーミュージックの基盤だからね」。膨大な音源の宝庫を聴き進む手がかりとして、ビートルズの4人がバラバラになる前の最後に輝いた瞬間が最もよく表れている数少ないトラックにハイライトを当て、それらに新たにリミックスを施したことで、曲の本質を浮かび上がらせることになった。興味があれば、ジャイルズ・マーティン監修のスーパーデラックスエディションを含むその他のビートルズカタログやビデオもチェックしよう。

Come Together
ミキシングが一番難航した曲の一つだった。理由は、音数があまりなくてとてもシンプルだから。バンドの生演奏によるもので、彼らの演奏の中でも指折りに素晴らしい。リンゴとポールが「この日の僕たちは本当にうまくやれた」と言っていた、まさにそのトラックなんだ。ビートルズがいかに成長を遂げたかが、彼らの洗練された演奏によく表れている。つまり、元々ブルースソングだったものを根本からひっくり返したんだ。通常ビートルズのリミックスでは、まずドラムスの音を中心に置くことから始める。そこで”Come Together"もそうしたけど、どうにもいい音にならなかったんだ。それで、ドラムのヒット音を一つ一つパンニングして、右から左へ、または右から中央に向かって響くようにした。オリジナル音源ではその場だけで響いているけどね。

Here Comes the Sun
ビートルズの曲の中で一番ストリーミング回数が多くて、一番よく聴かれている曲なんだ。アコースティックで、コンテンポラリー感がやや強い。「Abbey Road」の新たなミックスによって際立たせている点を一つ挙げるとするなら、バッキングヴォーカルの素晴らしさだね。

I Want You (She's So Heavy) [Trident Recording Session & Reduction Mix]
これらのアルバムがどのように作られたか、どのマイクを使ったか、父の役割が何だったのか、どんなズボンをはいていたのかなどについては、本当に多くのことが書かれてきた。僕がワクワクするのは、その後50年以上も聴き継がれることになる曲をまさにスタジオで作っている人が話していて、リラックスしている様子を耳にすることなんだ。彼らが外の世界に共感していることが、それを素晴らしいものにしている。「よし、もう1回大きい音でやってみて、それからまた1回小さな音でやろう」- そう言っていたのが、ビートルズのメンバーの中でも一番怒れるジョン・レノンなんだ。だから僕はこの仕事の醍醐味が大好きなんだ。素晴らしいアルバムは人間によって作られるものであって、機械で作られるものじゃない。デモ音源に僕が見いだそうとするのは人間らしさなんだ。- それはこのアルバムを作ってくれた彼らが放つ創造力ときらめきを聴くことなのさ。

Something (Studio Demo)
デモによっては何だか奇妙なものがあるんだ。ジョージといえば、彼の作風にはある種のもろさがあった。父は、ジョージに十分な時間を与えたことがなかったと言っていた。彼はもっと注目に値されるべきだったし、ジョージ自身も自分がもっと注目に値するはずだと思っていたことは間違いない。でもジョージはタペストリー職人だと思われていたんだ。彼は隅っこで針と糸を使って、せっせと曲作りに取り組んでいて、物事にすごく几帳面だった。それが分かるデモがいくつかあるんだ。

The End
「オリジナルはモノラル録音なんだ。僕たちはスタジオに戻ってオーケストラを再生して、ステレオサウンドの曲にした。最後のギターソロは明らかにポール、ジョン、ジョージで、全員の演奏が一つのトラックになっている。僕たちは今回それらの音を分離して、左—中央—右に分散させた。スタジオで録音したときはおそらくそういう風に立っていただろうからね。この曲でもそれこそが僕の回帰するところで、僕たちは実際の演奏により近づこうとしているんだ。「Abbey Road」を聴く人は、それが確かに生演奏で録音されたことを実感するはずだ。彼らは互いに愛情を持っていた。それが今回聴いて分かるようになったんだ。

スタッフメモ

「Abbey Road」はアルバムとして、ビートルズという宇宙への格好の入り口なんだ」プロデューサーのジャイルズ・マーティンは語る。「一番コンテンポラリーな音がするアルバムだからね。1960年代にレコーディングされた音には聞こえないんだ」。この作品が実際どんな音なのか、そしてどうやってその音になったかは、オリジナル「Abbey Road」のプロデューサーを務めた今は亡きジョージ・マーティンを父に持つ彼にとって特に興味深いところだった。そして2017年に「Sgt.Pepper’s Lonely Hearts Club Band」、2018年には「The Beatles(通称ホワイトアルバム)」の50周年記念リイシューを手掛けたときと同様、ジャイルズ・マーティンはビートルズの11作目にして最後から2作目のアルバムを一曲一曲丹念に積み上げるとともに、デモ音源や別音源の宝の山を掘り当てた。(後者の目玉には、"I Want You (She's So Heavy)"のレコーディング中にアビイ・ロード・スタジオ近隣の住人たちから音がうるさいと苦情を受けたことについて、メンバーが雑談している音源などがある。

このプロジェクトの目標はビートルズの熱心なファンにアピールするだけでなく、このアルバムの意味を現代のオーディエンスに向けて再解釈し、音質を彼らの耳に馴染んだ形にアップデートすることでもあった。「ミックスを手掛けるときに追求していたことの一つが、例えばApple Musicのプレイリストやラジオステーションで、ビートルズがエド・シーランの横に並ぶことだったんだ。ただ聴くだけでなくじっくり聴くことにリスナーをシフトさせることができるかどうかに興味がある。若い世代や新しいリスナー、または存在を知らなかった人たちに、ぜひさかのぼってビートルズを聴いてほしい。彼らは本当にたくさんの人々にとってのポピュラーミュージックの基盤だからね」。膨大な音源の宝庫を聴き進む手がかりとして、ビートルズの4人がバラバラになる前の最後に輝いた瞬間が最もよく表れている数少ないトラックにハイライトを当て、それらに新たにリミックスを施したことで、曲の本質を浮かび上がらせることになった。興味があれば、ジャイルズ・マーティン監修のスーパーデラックスエディションを含むその他のビートルズカタログやビデオもチェックしよう。

Come Together
ミキシングが一番難航した曲の一つだった。理由は、音数があまりなくてとてもシンプルだから。バンドの生演奏によるもので、彼らの演奏の中でも指折りに素晴らしい。リンゴとポールが「この日の僕たちは本当にうまくやれた」と言っていた、まさにそのトラックなんだ。ビートルズがいかに成長を遂げたかが、彼らの洗練された演奏によく表れている。つまり、元々ブルースソングだったものを根本からひっくり返したんだ。通常ビートルズのリミックスでは、まずドラムスの音を中心に置くことから始める。そこで”Come Together"もそうしたけど、どうにもいい音にならなかったんだ。それで、ドラムのヒット音を一つ一つパンニングして、右から左へ、または右から中央に向かって響くようにした。オリジナル音源ではその場だけで響いているけどね。

Here Comes the Sun
ビートルズの曲の中で一番ストリーミング回数が多くて、一番よく聴かれている曲なんだ。アコースティックで、コンテンポラリー感がやや強い。「Abbey Road」の新たなミックスによって際立たせている点を一つ挙げるとするなら、バッキングヴォーカルの素晴らしさだね。

I Want You (She's So Heavy) [Trident Recording Session & Reduction Mix]
これらのアルバムがどのように作られたか、どのマイクを使ったか、父の役割が何だったのか、どんなズボンをはいていたのかなどについては、本当に多くのことが書かれてきた。僕がワクワクするのは、その後50年以上も聴き継がれることになる曲をまさにスタジオで作っている人が話していて、リラックスしている様子を耳にすることなんだ。彼らが外の世界に共感していることが、それを素晴らしいものにしている。「よし、もう1回大きい音でやってみて、それからまた1回小さな音でやろう」- そう言っていたのが、ビートルズのメンバーの中でも一番怒れるジョン・レノンなんだ。だから僕はこの仕事の醍醐味が大好きなんだ。素晴らしいアルバムは人間によって作られるものであって、機械で作られるものじゃない。デモ音源に僕が見いだそうとするのは人間らしさなんだ。- それはこのアルバムを作ってくれた彼らが放つ創造力ときらめきを聴くことなのさ。

Something (Studio Demo)
デモによっては何だか奇妙なものがあるんだ。ジョージといえば、彼の作風にはある種のもろさがあった。父は、ジョージに十分な時間を与えたことがなかったと言っていた。彼はもっと注目に値されるべきだったし、ジョージ自身も自分がもっと注目に値するはずだと思っていたことは間違いない。でもジョージはタペストリー職人だと思われていたんだ。彼は隅っこで針と糸を使って、せっせと曲作りに取り組んでいて、物事にすごく几帳面だった。それが分かるデモがいくつかあるんだ。

The End
「オリジナルはモノラル録音なんだ。僕たちはスタジオに戻ってオーケストラを再生して、ステレオサウンドの曲にした。最後のギターソロは明らかにポール、ジョン、ジョージで、全員の演奏が一つのトラックになっている。僕たちは今回それらの音を分離して、左—中央—右に分散させた。スタジオで録音したときはおそらくそういう風に立っていただろうからね。この曲でもそれこそが僕の回帰するところで、僕たちは実際の演奏により近づこうとしているんだ。「Abbey Road」を聴く人は、それが確かに生演奏で録音されたことを実感するはずだ。彼らは互いに愛情を持っていた。それが今回聴いて分かるようになったんだ。

タイトル 時間

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