A LONG VACATION

A LONG VACATION

日本のポップミュージック史上屈指の名作にして、苦節を経た大滝詠一がついに大ヒットを引き寄せた作品。ソロ名義では3年以上の間隔が空いた今作で、彼は歌手としての自分を前面に打ち出している。メロディ重視の優れた楽曲群の基盤は、自身が中学時代に傾倒したアメリカンポップスで、アルバム全体の構成はコンサートの流れを模したもの。音合わせとカウントから始まる「君は天然色」は20人ものオーケストラによる音の重厚感が圧倒的だ。永井博によるジャケットのイラストにあるリゾート感を膨らませる「カナリア諸島にて」など、バンド解散から時を経て再び手を組んだ松本隆の歌詞が担うイメージも大きい。そして演奏に鈴木茂と細野晴臣が参加した「雨のウェンズデイ」では、結果的にはっぴいえんどの4人が再び集っている。太田裕美に提供した「さらばシベリア鉄道」の大滝版が、アンコールに応えるように全体を締めくくる。過去のアプローチや試行錯誤が昇華された本作は、エコー感の強い音作りなどがメジャーのリスナーからも人気を集め、ロングスパンで支持を拡大。1981年春の発売から1年をかけてミリオンセールスを達成した。まさにエバーグリーンの輝きを誇るアルバムだ。

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