1987年にバンドを結成し、1990年代半ば以降コンスタントにヒット曲を生み出した、日本のポップ・ミュージック・シーンを代表するバンド、スピッツ。プロデューサーに椎名林檎、東京事変、平井堅などの作品を手がけてきたことで知られる亀田誠治を迎えて制作された通算11枚目のアルバム。シングルとしてリリースされた “正夢” をはじめとして、ギターを軸にしたシンプルで爽やかなサウンドとポップで耳に残るメロディ、そして聴く者の心をキュンと締めつけるような草野正宗の紡ぎ出す声と言葉というスピッツならではの魅力は不変で、いつ聴いてもピュアでフレッシュ、それでいてちょっと切ない気持ちにさせてくる。また、珍しく三線を全面にフィーチャーして沖縄音楽の影響を感じさせる “ナンプラー日和”、ピアノをメインとして使用した “優しくなりたいな” など、ギターをメインに据えない曲も披露するなど、音楽的な幅の広がりを感じさせるアルバムに仕上がっている。
- 2021年
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