2009年に神戸で結成し、ジェンダーや年齢、国籍をも超え、抜きん出た個性とオルタナティブなサウンドで、インディーズ時代から音楽ファンやクリエイターを刺激してきたバンド、女王蜂。メジャーデビューアルバム『孔雀』は、4ピースのアグレッシブなバンドサウンドを基調にしながら、その異色かつ濃厚な世界観で、エモーショナルな芝居を体感するような刺激を与えてくれる。クラシカルなフレーズやコーラスで縁取られたゴージャスなロックンロールで幕開ける「夜曲」、ファルセットと低音を行き来するシアトリカルなアヴちゃんのボーカルが冴えるエキゾチックな「砂姫様」、ブリティッシュロックな香り高い「鬼百合」や、ストレートなロックンロールをポップで唯一無二の曲に仕立て上げた「デスコ」など、女王蜂の音楽世界が完成している。轟音や哀調を帯びたその美しい歌には、普段は蓋をしている悲しみ、痛み、怒りの感情を解き放ち、カタルシスへと変える力がある。
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