日本のポストロックの先駆者的存在であるインストゥルメンタル・バンド、サンガツの実に5年ぶりとなるニュー・アルバム。前作「静かな生活」ではギター × 2、ベース、ドラム × 2の5人編成だったが、その後ベースとドラムが脱退し、新たにサポート・メンバー4人を加えギター × 2、ベース、ドラム × 4という編成で制作されている。アナログ・テープ一発録音でレコーディングされたトラック5曲は、いずれも楽器のアンサンブルやハーモニーより、それぞれの音色の配置によってイメージを伝えてくるような、独特の感触の楽曲に仕上がった。ギター、ベース、ドラムに加えてスティール・パンやトーン・チャイム、トライアングルなどの音色も交わり、ポストロック的なカタルシスともアンビエント・ミュージック的な音像とも異なる、どこまでも前衛的でどこまでもクリエイティブなサウンドが、緻密に、そしてイキイキと舞っている。ぜひヘッドフォンでじっくりと味わってみてほしい作品である。
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