モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲全集

モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲全集

優れたヴァイオリンの腕前をもっていたモーツァルトは、ここにある五つのヴァイオリン協奏曲を作曲した時、まだ10代だった。フランスのヴァイオリン奏者ルノー・カピュソンは、当時のモーツァルトのように、ほどよい人数のオーケストラと共に指揮者なしで演奏する。このスタイルが、仲間同士によるきわめてリラックスした雰囲気を生み出し、洗練された音楽の祝宴といった趣きを醸し出している。協奏曲第2番の控えめなフィナーレは、カピュソンの愛情に満ちた解釈によって魅力的で親しみやすい姿となり、第5番の終楽章「Rondeau」では、ユーモアのセンスが決して大げさにならずに、エレガンスと折り目正しさを与える。緩徐楽章でもカピュソンは同じように印象的な表現を披露し、協奏曲第3番の「Adagio」での甘く魅惑的な音色などは、独特の詩情を感じさせる。そしてローザンヌ室内管弦楽団の洗練されたアンサンブルが、どの協奏曲にも温かく上品な味わいを与えており、この点も聴きどころだ。

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