LOST IN TOKYO

爆音ジャズのスタイルでジャンルの壁を越える活動を続けるSOIL &“PIMP”SESSIONSが、陰と陽、クールとホットなど、相反する要素が共存する“東京”という街の姿を描き出したコンセプトアルバム。緑豊かな森と都会の喧騒（けんそう）が交差するサウンドコラージュ「Introduction "LOST IN TOKYO"」で幕開け、畳み掛けるビートにタブゾンビのエレクトリックトランペットが炸裂する未来型ジャズ「Valley of The Light」、ダンサブルでコズミックなファンクチューン「Funky Pongi」や、力強いホーンに社長のアジテーションがうなりを上げる「Riverflow」など、彼らならではの世界観が味わえる楽曲が並ぶ。その一方で、「Ring Route 7」や「Generation Tree」、エンディングのドリーミーなバラード「Lime’s Dream」など、スローやミディアム調のナンバーも多く収録され、テーマ性が際立つ流れを演出。またSKY-HIとZAZEN BOYS／ナンバーガールの向井秀徳という2人の個性的なアーティストが参加した楽曲は、全体にクロスオーバー感を加える良質なスパイスの役割を果たしている。2001年の結成以来、その力強いサウンドと音楽性で日本のジャズシーンで確固なる地位を築き上げたSOIL &”PIMP”SESSIONSにとって、ネクストステージの幕開けとなる意欲的な作品といえるだろう。