FREEDOM ONLY

FREEDOM ONLY

「僕ら自身、優しいアルバムをこの時期に聴きたいと思っていた」。GLAYのリーダーにしてギタリストのTAKUROはApple Musicに語る。前作『NO DEMOCRACY』から約2年ぶりとなる『FREEDOM ONLY』は、バンドにとって通算16作目のオリジナルアルバムで、タイトルはカーペンターズの「青春の輝き」の一節からひらめいたという。全体に優しさが感じられ、しかも自由な雰囲気にあふれた本作は、TAKUROがすべての作詞作曲を手掛けているのも一つの特色で、彼自身、このアルバムは自信作だと胸を張る。「足りないところは相方のHISASHI(G)や亀田さん(プロデューサーの亀田誠治)にも手伝ってもらいましたが、ほぼスタートは僕の曲から。メンバーが今の僕の気持ちをくんでくれて、『やりたいことを思い切りやりな』と背中を押してくれたような、そんなアルバムです」昨年の2020年初頭から世界中が新型コロナウイルスに襲われ、このアルバムはそうした状況に対してどう生きていくかというGLAYなりの回答を示す内容となった。それは、例えば歌詞の面では「Winter Moon Winter Stars」「BAD APPLE」といった曲に表れている。「離れ離れの家族、恋人たち、仲間たちがいることを考えたとき、過去、今、未来を歌う者としては、やっぱり避けて通れない題材ではありました。毎日ニュースを見て、今の大変さ、事の重大さはもう分かっている。だから『GLAYよ、頼むから優しい言葉を聴かせてくれ』『優しいメロディを聴かせてくれ』と…。僕がメンバーでありながらこんなことを言うのも変なんでしょうけど、GLAYに優しさを求めたところがあります」また、アルバムリリース後のツアーを見据え、コロナ禍のイベントガイドラインでは観客は声を出すことができないことも考慮されたという。「アッパーな曲をアルバムに入れても、(ライブで)騒げないし叫べない。僕らが一番大切にしているファンの人々に、できないことを強いたくない。俺の好きなGLAYはそんなんじゃねえなというのもありました」と、TAKUROは振り返る。「2021年にこんな優しいアルバムで優しいツアーがあってもいいんじゃないかな。なぜなら俺たちは未来を見てるから。TERU(Vo)いわく、60になっても70になってもやるって言うんだから。心から叫ぶような曲は今のGLAYにはいらないし、お客さんにも酷。そういう決断で、こういう肌触りになりました」「BAD APPLE」のアレンジにはサウンドプロデューサーのTomi Yoが、「BETTY BLUE」のボーカルにはAwesome City ClubのPORINが参加しており、いずれもGLAYとは初のコラボレーションである。「Hypersonic」では匿名が主流となったこの世界で記名性を追求し、「Winter Moon Winter Stars」では自分たちの青春時代のサウンドを純粋に楽しみ、「祝祭」や最後を飾る「桜めぐり」ではGLAYらしいヒューマンな魅力が詰まっていたりと、さまざまなテーマが盛り込まれた、温かみのあるアルバムとなっている。「『桜めぐり』は文化祭の本番の前日のワクワクだったり、終わった後の寂しさみたいなものだったり…。ああいった、永遠に輝きを失わないようなものを音楽にできれば、俺たちGLAYが音楽の業界にいる意味みたいなものもあるのかな、と。そんなことを考えながら作りました」とTAKUROは言う。自由な感覚に満ちたこの『FREEDOM ONLY』に、GLAYは未来への希望を託している。その尊い光を浴びてほしい。

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