遙かいま

遙かいま

現代の日常風景にするりと入り込んでくる喪失感や、生死を左右するほどの孤独を表現したyonawoのセカンドフルアルバム。デビューアルバムの『明日は当然来ないでしょ』からわずか9か月でリリースされた本作だが、この短い期間で彼らの音と心の探求は果てしない道のりを経たことが分かる。冨田恵一がプロデュースを務めた先行リリース楽曲「哀してる」や、亀田誠治プロデュースの「闇燦々」など、今までのネオソウル/ジャズ的な曲調から、オルタナティブなチェンバーポップにまで表現の幅を押し広げ、ノイジーで幽玄なバンドサウンドにストリングスやホーンを織り交ぜたアレンジを完成させた。そうして丁寧に紡がれた音と言葉は、物質的には満たされていても、内面には現実を見失うほど巨大な空虚感が巣くう、現代人の痛ましい心を映し出す。とりわけ、アルバム終盤の「beautiful Day to Die」からの流れは強烈だ。時代のムードと誠実に向き合って生まれた、yonawoの姿勢が伝わる作品となっている。

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