Welcome 2 America

Welcome 2 America

とにかく時代を先取りした音楽を作った。今も昔も変わらずフレッシュなんだ」 プリンス(2010年) プリンスが遺した伝説的な保管庫から絶え間なくリリースされる作品を、どう判断するかは難しいところだ。彼の作品の幅広さや、他のアーティストにとってはキャリアを代表するようなアルバム一作分ほどの楽曲を定期的にお蔵入りにしていたという事実には、熱狂的なファンでなくても驚かされることだろう。その一方で、非常にこだわりの強いアーティストとして知られたプリンスにとって、これらの楽曲は今となっては知る由もない何らかの基準を満たさなかったものと考えられる。だとすれば、彼の承認なしにこれらの曲を聴くことは、どんな意味を持つのだろうか? 『Welcome 2 America』からは、お蔵入りの直接的な手がかりを得ることはできない。プリンスとザ・ニュー・パワー・ジェネレーションが2010年にレコーディングした本作に収録されているのは、完全に体現されたファンク、R&B、ロックの楽曲の数々だ。プリンスならではのシビアな基準で測ると、それらは必ずしも啓示的でも冒険的でもないかもしれないが、時に鋭く、叙情的な予見もあり、誰もが思いつくような陳腐なアイデアからは程遠い。「Yes」のようなラフなパーティーソングがある一方で、まれとも言えるSoul Asylumによる2006年の楽曲「Stand Up and B Strong」のカバーでは、自身と同じミネアポリス出身のバンドに敬意を表している。

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