演劇の音楽を担当した不破大輔を中心に、1989年に結成されたフリー・ジャズ・バンド、渋さ知らズ。バンド史上過去最長の時間を費やし制作されたという結成20周年記念アルバムは、あらゆるジャンルの音楽を吸収し、一大スペクタクルとして吐き出してきた彼らのユーモアあふれる音楽性が凝縮した、濃厚な感動作となっている。ホーン隊のサウンドが鮮やかな “ドラゴ” でアルバムの幕開けすると、どこかコミカルな物語性を感じさせる “権太アジール”、寓話的な哀愁を漂わせる “水の中の虹虫”、和的なリフレインとボーカルが印象的な狂騒ナンバー “渡” など、どの楽曲もエネルギッシュな個性を持ちながら、アルバム全体を通して大きなストーリー性を描くような展開を見せている。日本を代表する屈指のライブ・バンドとして国内外で圧倒的な評価を勝ち取っている彼らだが、レコーディング・バンドとしても唯一無比の存在であることを改めて強く主張する、迫力に満ちたアルバムだ。
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