2019年のデビュー作『午後の反射光』から、3作のEPを通して独創性を発揮したシンガーソングライター/ギタリストの君島大空。このファーストフルアルバムはその集大成にして、限りない創造力を感じさせる作品となった。彼の制作スタイルとしては、ガットギターの弾き語り(独奏)を中心に据えた多重録音と、ライブメンバーである西田修大(G)、新井和輝(B)、そして石若駿(Dr)と共に音を紡ぐ合奏形態の2つのスタイルがあり、その両方を行き交う彼だからこそ描けるものがある。例えばそれは、心の内と外、夢と現実、絶望と希望…それらの境界にある、あいまいにして普遍的な感情や情景。タイトル『映帶する煙』の“映帶”(映帯)とは“色や景色が互いに映り合うこと”を意味するもので、こうした言語表現にも重層的な物語が感じられる。EP『袖の汀』に収録された「光暈(halo)」は今回新たに合奏形態バージョンとなり、繊細な色合いの違いが味わえる。
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