

マンドポップ界を代表するアーティストの一人として四半世紀の節目を迎えたJay Chouは、音楽の力について揺るぎない確信を抱き続けている。アルバム『太陽之子』では、これまでに積み重ねてきた経験を目がくらむような高揚感、愛おしいノスタルジア、そして確固たる目的とともに、人生をたたえる楽曲へと昇華させた。その幕開けを飾るのは、メタルの力を駆使して内なる闇の誘惑に抵抗する、メッセージ性の強い表題曲だ。 アルバム全体にちりばめられた、映画のような物語性、真摯なポップロック、そして彼の代名詞ともいえるR&Bには、Chouの初期作品へのさりげないオマージュが潜んでいる。表題曲「太陽之子」のハードな質感は「困獸之鬥」(Struggle)や、「雙截棍」(Nunchucks)のようなヒット曲を彷彿とさせる。バラード「那天下雨了」(The Day It Rained)は2003年の「晴天」(Sunny Day)の明確な続編で、後者を直接的に反映した歌詞が含まれている。「長年のファンは僕の曲に慣れ親しんでいて、懐かしさを感じてくれるだろうから、誰もが知っている曲と対話するようなものを書いたら楽しいのではないかと思いました」とJay ChouはApple Musicに語る。 もう一つの再会は「湘女多情」(The Girl from Hunan)で、2000年の「娘子」(Wife)に対する感情的な対比として機能している。湘江の女神となった堯帝の娘、娥皇と女英の伝説からインスピレーションを得て、作詞家の方文山は楽曲に「娘子」の詩的な感性を吹き込んだ。「彼は中国風の表現が本当に得意なんです」とChouは言う。「そして、僕はこの曲のボーカルにオペラの要素を少し取り入れ、『娘子』の一部分を歌ったので、ファンはきっと喜んでくれるはずです」 Chouの歌手デビュー以来、親密にコラボレーションしてきた2人は、柔軟な協力関係を築いている。「僕が考えたテーマで作詞するよう頼んだことも何度かあります」とChouは明かす。「また、彼が完成した歌詞をくれて、僕が作曲することもあります。でも、ソングライティングは通常メロディから始まるので、それは特殊なケースです」。表題曲「太陽之子」は視覚的なアプローチを用いて制作された。Chouは30点の有名な芸術作品を登場させるミュージックビデオを構想し、それぞれの作品のタイミングとそれに対応する歌詞の内容について、方文山に詳細な指示を与えたという。 林鴻鳴とPatrick Brascaによるアレンジや、劉畊宏による歌詞など、アルバムには方文山以外の盟友も参加している。「以前、劉畊宏と作った曲は、僕が先に曲を書いて、彼に歌詞を加えてもらう形でした」とChouは語る。「でも『愛琴海』(Aegean Sea)では、まだ曲が存在しませんでした。彼は当時ギリシャにいて、僕が書きそうなメロディを想像しながら詩を書いたんです」 今回が初参加となるコラボレーターは、Chouの末娘のJacindaだ。元気いっぱいのファンキーなジャム「女兒殿下」(My Daughter, Your Highness)には、彼女のボーカルサンプルがちりばめられている。「僕は子どもたちの成長を曲に記録しているんです」と彼は言う。「長女のHathawayが赤ちゃんの頃にキーボードで適当に弾いた音は、『前世情人』(Lover From Previous Life)になりましたし、息子のRomeoには『粉色海洋』(Pink Ocean)を書いて、彼の声を入れました。Jacindaから、『お兄ちゃんもお姉ちゃんも曲があるのに、どうして私にはないの?』と言われるので、彼女のためにも曲を書く必要があったんです。そこで、彼女の愛らしいおしゃべりをたくさん収録しました。“ワイルドでクレイジー、おしゃれで冷静”という内容の僕の歌詞は、多くの親御さんに響くはずです」