2019年4月にVOCALOIDのflowerを使用した「アルカホリック・ランデヴー」を動画投稿サイトにアップし、音楽活動を開始したボカロPのくじら。歌い手のyamaを迎えた「ねむるまち」が大きな話題となり、VOCALOIDの枠を超えて新世代ポップシーンをけん引する一人となった。本作は2020年にリリースしたファーストフルアルバム。前半がVOCALOIDのflowerによる歌唱で、後半ではさまざまな気鋭の歌い手をフィーチャー。ブラックミュージックを下地にしたグルーヴィなサウンドとメロウなメロディが切ない感情を呼び起こし、アンニュイなムードに染めていく。「アルカホリック・ランデヴー」のセルフカバーでは、くじら自身が柔らかく落ち着きのある歌声を披露したことも話題となった。物憂げな表情の少女が描かれたジャケットのアートワークは、イラストレーターの雪下まゆが手掛けている。