1979年、世界的に巻き起こっていたニューウェイブの動きに彼らが激しく反応した衝撃作。ビデオが普及した時代のマニアの歌「ヴィデオ・ボーイ」の人力テクノサウンド、ザ・ポリスを意識したと思われる「モダーン・ラヴァーズ」の鋭角的なアレンジ、さらに「鬼火」など、次作『カメラ=万年筆』に直結する映画文化への傾倒など、ポイントとなる要素が多数。当時は音楽文化が転換点に差しかかっていたことに加え、このバンド自体も変節期を迎えており、特に後半は不穏極まりない「バック・シート」を筆頭にダークな雰囲気に覆われている。この並々ならぬチャレンジで、彼らは時代の先端を突き進む集団であることを明確に宣言することとなった。そして来たる1980年代に向け、このバンドはほかに類を見ないほどエポックな存在へと変容していったのである。
- 1984年
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