ユーミン万歳!〜松任谷由実50周年記念ベストアルバム〜

ユーミン万歳!〜松任谷由実50周年記念ベストアルバム〜

ユーミンの50周年を祝うベストアルバムである。高校時代からその才能を認められ、1972年にシンガーソングライターとしてデビューした荒井由実は、ニューミュージックの時代の中で繊細な叙情と洋楽的な感覚を発揮しながら成長を重ね、人気アーティストへと躍進。結婚により松任谷姓に変わってからも彼女の表現は進化を続け、その優れた作品の数々は日本の若者のライフスタイルにまで影響を及ぼしていった。初期には『COBALT HOUR』(1975年)のようにシティポップとして再評価されている作品も多く、また「守ってあげたい」(1981年)のような心象風景の描写はJ-Popの礎になったといえる。 本ベストアルバムは、そうしたユーミンの足跡がファンの思いと共に網羅され、デビューアルバム『ひこうき雲』(1973年)から近年の楽曲まで50曲をセレクト。そこに新曲「Call me back」を加えた全51曲での構成になっている。注目点は、既発表曲すべてに名匠GOH HOTODAによるリマスターとリミックスが施されていること。しかもその上にプロデューサーである松任谷正隆の監修でもリミックスが行われ、サウンドの表情に微妙な変化がうかがえる曲があるのだ。特に1980年代に主流となったデジタルを駆使したドラムサウンドはオーガニックな演奏に改変されており、例えば「リフレインが叫んでる」(1988年)などはその効果がはっきりと感じられる出来となっている。中には「WANDERERS」(1989年)のイントロのように新たにシンセサイザーのフレーズが追加されているケースもあるなど、これらのアップデートを味わうのも本作の楽しみの一つだろう。 そしてさらなる注目は新曲「Call me back」である。これは1980年に録音されていた未完成の音源を使用した曲で、新たに書き下ろされた歌詞と、当時のユーミンのボーカルをAIで再現したトラックと現在の歌声によるデュエットにより、スペシャルな楽曲が誕生した。 ユーミンという天才的なアーティストによる、万人が認める名曲や魅力いっぱいのヒット曲を楽しめるのはもちろんのこと、彼女がファンと共に歩んだ時の流れも体感できるベストアルバム。ぜひご堪能あれ。

ディスク1

ディスク2

ディスク3

国または地域を選択

アフリカ、中東、インド

アジア太平洋

ヨーロッパ

ラテンアメリカ、カリブ海地域

米国およびカナダ