1990年代後半に妄走族の一員として日本のヒップホップ・シーンに登場し、2003年にソロのMCとしての活動を開始すると、B-Boy Park のMCバトルなどで卓越したフリースタイルのスキルを披露してシーンでの存在感を確固たるものにするかたわら、長渕剛のライブでサポートを務めたり、映画『男たちの大和』のサポート・ソングとなった「オレ達の大和」をリリースするなど、ヒップホップ・シーンの枠を超えた活躍も見せる般若が2009年にリリースした5枚目のソロ・アルバム。前年に開催された日本最高峰のフリースタイルMCバトル、“Ultimate MC Battle 2008” で全国優勝を飾った勢いをそのまま生かして制作された。プロデューサーには Mr. Beats aka DJ Celory や Nao The Laiza、Evisbeats らに加え、公募で採用された Soul や Yue Cue & 深泉、Roderick Teerink を迎え、歯に衣着せぬストレートなメッセージと独特のブラック・ユーモアを駆使して緊張感あふれるスリリングなリリックを展開する般若ならではのラップ・スタイルを全面に打ち出した1作だ。