スユアの波

スユアの波

古代マヤ人の言葉をアルバムタイトルに冠してはいるが、内容的にはスピリチュアルというより、若干のファンタジック要素をメタファーとして用いた丁寧なポップアルバム。フィル・スペクターのウォール・オブ・サウンドを90年代の終わりにあえて引用し再構築した"Sunny day Holiday"や、「Good Vibration」という歌詞の通り、ザ・ビーチ・ボーイズ風コーラスワークが印象的な"パーティーへ行こう"など、かつてユーミンが近づきながらたどることがなかった60年代アメリカンポップを奏でている。また、軽妙なレゲエアレンジでありながら、愛する人を失った喪失感を描いた"きみなき世界"では、映像を想起させる歌詞世界や幻想と現実を行き交う独特のメタファーは完全に封印され、心を締め付けるシンプルな言葉がただ並ぶ。本作で現れ始めたこれまでになかったこの感覚は、その後のユーミン作品でも時折顔を見せる。

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