「“シティフォーク”や“ネオ風街”を期待して聴いた人をびっくりさせようと考えていました」と、グソクムズの中島雄士(Dr)はサードアルバム『ハロー!グッドモーニング!』について語る。1970年代のシティポップやニューミュージックからの影響を感じさせる音楽性で注目を浴びる4人組バンドのグソクムズ。“吉祥寺のシティフォークバンド”と称されることもある彼らだが、メジャー初アルバムとなる本作は、その枠だけには収まらない幅広い楽曲がそろっている。中島は言う。「実はグソクムズのメンバーはロックな一面をかなり強めに持っていると思っていて、ライブでも『結構ガツガツやるね』とか言われたりするんです。それでだんだんと自分たちの素を出してもいいかな、という雰囲気が広がってきました。『これくらいなら受け入れてもらえそう』と思う範囲で(笑)」 グソクムズはバンドメンバー全員がソングライティングを担い、サウンドの方向性は作り手の嗜好を反映しながら4人で探っていく。たなかえいぞを(Vo/G)はアレンジをする上で「あうんの呼吸的なものができてきた」と語る。「今回は3作目ということもあり、『振れ幅を大きくして、少し裏切ってみようぜ』みたいな協議もしました。メンバー同士いろんな音楽を好きなのが分かってるから、『お前、あれ持ってるんだから出せよ』みたいな感じで(笑)。例えば『こんな夜には』はボン・ジョヴィをイメージして、メンバー全員がどれだけイキれるかで勝負しました」。ドラムマシンの音色から始まる「シグナル」や、ゲームのBGMからサウンドの着想を得た「グッドモーニング」など、少し意外性のある多彩なアイデアが光る13曲。甘くロマンチックなメロディを奏でるシティポップ的な楽曲もあり、従来の魅力もしっかりと備わっている。まだまだ彼らの中にはたくさんのアイデアの種があり、たなかが「これからも少しずつ自分たちなりのアウトプットで、いろんな表現ができたら」と言うように、ここからグソクムズの音楽地図は大きく広がっていく。
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