Deu、Takeuchi、Itoによる3ピースバンドであること以外、いまだ謎に包まれているPEOPLE 1。2020〜2021年にかけてリリースしてきたバラエティ豊かなシングル曲が違和感なく並び、現代的かつ正統派の青春ストーリーを描くファーストフルアルバムが完成した。心を揺り動かすメロディと、矛盾した感情や曖昧さも含むリアルなリリック、そして的確で適度に力の抜けたアレンジ。それらの絶妙なバランスによって織りなされる歌は、どれもうそのないエモーションが感じられる。さまざまな時代の、さまざまなカルチャーにオマージュをささげるようなサウンドメイクは、THE 1975など海外バンドとの共通点も見受けられる。そして、物語の終わりと始まりを告げるラストソング「バンド」が、ここから始まるPEOPLE 1の躍進を予感させる。