「雨とぺトラ」など数々の人気ボーカロイド楽曲を発表してきたボカロPのバルーンが、シンガーソングライターとしての須田景凪名義でリリースした初のアルバム。斬新なメロディメイクはボカロP時代からさらに磨きがかかり、ハッとするような展開で心をつかむ。ジャジーなアレンジで危うい心のバランスを描く「idid」、強烈なギターリフとどこか投げやりな歌声がスリリングに絡む「ポリアンナ」、ピアノやストリングスも取り入れた壮大なバンドサウンドで切なる思いを伝える「密」など、緻密なアレンジとエモーショナルな歌声で複雑な心模様を描く。アグレッシブでありながら、どこか切なさをたたえた唯一無二の歌で、張り詰めた時代の空気を鮮やかに体現する。