BIGBANGのメンバーとして、ソロラッパー兼アーティストとして音楽業界に多大な影響力を持つG-DRAGONことクォン・ジヨン（권지용）は、時に”キング・オブ・K-Pop”と呼ばれる。K-Pop史上最大級のヒットを記録したグループの一員として2006年にデビューしたG-DRAGONは、後にソングライター、パフォーマー、ファッションアイコンとしても一目置かれ、韓国音楽業界を代表する世界的シンボルとなる。2009年にはソロデビューアルバム『Heartbreaker』をリリースし、韓国人ソロアーティストとして歴代最高のセールスを記録した。 2013年のフルアルバム『COUP D'ETAT』から10年以上の時を経てリリースされた『Übermensch』は、ソロとして3作目のスタジオアルバム。ソロ名義ではあるものの、オープニングを飾るにぎやかなポップロック「HOME SWEET HOME」ではSOL（TAEYANG）とD-LITE（DAESUNG）をフィーチャリングし、BIGBANGファンに捧げられている。他にも「TOO BAD」ではアンダーソン・パーク、「TAKE ME」ではナイル・ロジャース、そして「GYRO-DROP」ではランチマネー・ルイスを共同制作に迎えた。 ドイツ人哲学者フリードリヒ・ニーチェの1883年の著書『ツァラトゥストラかく語りき』にヒントを得て名付けられた『Übermensch』で、G-DRAGONはミュージシャンとしてのこれまでの活動を超越しようと試みている。以前から壮大で前衛的な作品を送り出してきたことを考えるとかなりの無理難題だが、『Übermensch』の狙いはまさにそこにあるようだ。「POWER」でG-DRAGONは自信たっぷりに、「第2世代の秘蔵版、世紀の最高傑作（2세대 한정품이 세기의 완성품）」とラップする。「時間を無駄にするな、そうさ俺の時代だ／はっきりケリをつけてやれ、証拠は全部そろっている（Do not waste your time, yeah, it’s gotta be me/Prove ’em all wrong, I’ve got all the receipts）」と。